Metaverse建築


メタバース建築は、重力や建築基準法などの制約すら受けない仮想(ヴァーチャル)空間での没入的体験を提供する新しい分野です。この分野は、ゲームの世界、出会いやミーティングなどのコミュニティ形成のための場所、または実際のプロジェクトとしての現実の計画を再現したシミュレーションの為の場所など、多様な用途に利用されています。

私たちは、現実世界の建築設計の経験と長年の建築ビジュアライゼーションの知識を活かし、仮想空間内での合理的な動線計画、視線の制御、魅力的な演出方法などを考慮しながら設計しています。

「JIN Architect」というハンドル名をSNSやメタバースプラットフォームで見かけたら、それが私たちの仮想空間内での分身です。

Waiting Bar CHAYA


小諸駅前に新しく誕生したレコードカフェ&バー「CHAYA」の工事中ヴァーチャル現場の空間から派生したメタバース空間。

実店舗が音楽と交流の場として地域に貢献する一方で、メタバース内の「ウェイティングバー」は、趣味や仕事、様々な活動のためのコミュニティの入り口として機能し、従来のポータルサイトを立体的に再現した役割を担っています。

Art  Flow Loft


スウェーデンのMetaverse Innovation社とのコラボレーションプロジェクトです。アート作品の展示や音楽イベント用のスペースとして設計され、東西および南北の二つの軸に分かれた動線を設けることで、展示作品に対する視線と来訪者の反応に対する視線とを意図的に交錯させています。この空間は、主観と客観の逆転の効果を活用し、作品の制作と鑑賞の境界をあいまいにすることを企てています。

World Of Colours Gallery


ロンドンに拠点を置くアーティスト、Mani Saemi氏がキュレートしたギャラリーが、The Rocket Galleryとのコラボレーションで開催されています。Foundationで選りすぐられた高品質なNFT作品を展示し、LGBTQ+を含む多様性を支持するコンセプトのもと、単なる展示に留まらず、イベントスペースとしても利用されています。

Visit Series 


六角形のモジュールを使用したギャラリーやコミュニティの為のスペース。その自由な形状の拡張により、スペースの規模変更に柔軟に対応しています。Metaverse Innovationとの連携により、京都やタイを始めとする観光地での活用や、スウェーデンのグラーネンギャラリーでのバーチャルギャラリーとしても使用されています。

スウェーデン祝祭広場バーチャルイベント会場


スウェーデンのスンツバル市のメイン広場を模したバーチャルイベント会場です。この会場では、街に関するクイズを解きつつ地域を紹介し、訪問者の反応を観察する試みが行われています。これは将来のバーチャルイベントのための予備調査として機能します。

Arkio Design Challenge


メタバースやVRのような技術を取り入れた建築設計は進化の途中にありますが、Arkioというツールは設計者の視点に基づいて開発され、手作業による設計プロセスを重視する魅力的な道具です。最新の機器を活用しつつ、伝統的な設計の醍醐味を保持することで、VRデバイスが設計ツールとして自然に受け入れられるには、まだ時間がかかるかもしれませんが、その先駆けとして注目すべき技術です。
これらの画像は、そのソフトウェアを使用したコンテストで2位受賞した作品です。
1/1のスケールで作りながら体験をしていく。現場で設計をしていく感覚に近い経験です。

Fujisawa メタパラダイス of Arts
(文部科学省後援事業)


メタバース上で障がい者の方の作品を展示するイベント会場。
日本Web3.0推進協議会(JW3A)が空間製作・ディレクションを行ったメタバース会場入口のエレベーター、空中回廊を担当させていただきました。

その他

メタバースでは、想像力に基づいた非現実的な空間をつくりだすことが無限に可能です。それはこれまで見たことのない風景に出会えると同時に、その空間に一歩足を踏み入れることで感じる強い現実感にも襲われることになります。そこでは、仮想世界独特な物理法則が働きながらも、私たちが現実世界で培った立ち振る舞いが同様に求められ、時には不愉快さや面倒臭さが目立つことすらあります。この世界での暮らし方を習得し共有するには、作る側も、使う側も多くの時間を費やす必要がまだありそうです。
ヴァーチャルな現実が予想以上に現実的であったことが、様々な空間製作を通してわかりました。